長文を書くことができるのは、一種の才能だと思います。

 

そういう方ほど、小説家には向いているのでしょう。

 

ただし、長文は必ずしも読み手に受け入れられるものではありません。

 

人に心境を報告するための手紙、成果を伝えるためのビジネス文書が長文だと、だんだん読む気がなくなってしまいます。

 

そんなときは、文章を省略して見やすい文体にすると良いでしょう。

 

文章を短くする省略の書き方を紹介します。

 

文章の省略の書き方

文章が長いと感じたとき、省略を用いることで短くすることができます。

 

そのおかげで文章がスッキリと見えるようになります。

 

また、大事な部分を残すことで相手に伝えやすくなる効果もあります。

 

では、文章の中で省略を入れる書き方を紹介します。

 

文章の中で省略したい部分を(中略)に入れ替えるだけです。

 

例えば、売り上げが年々増加していたのに、一年前から急激に下がったことを伝えたいとします。

 

この場合、一年前から下がった情報を相手に伝えれば十分であり、今までの売り上げの経過はどうでも良いわけです。

 

 

「当店の売り上げは開店から右肩上がりであり、(中略)去年まで維持しておりました。しかし、そこから急激に右肩下がりに落ち込んでいます」

 

 

途中に(中略)を入れることで、大事な情報が浮き彫りになっているのが分かります。文章も短くなり、読みやすくなっていますね。

 

引用の文章を省略する

ここまで説明すると何となく察してもらえると思いますが、省略は引用した文章に用いることが多いです。

 

稀に自分の書いた文章に(中略)を入れることもあるようですが、それなら最初から(中略)がいらない文章構成で書けば良いだけの話となります。

 

なので、文章の省略は引用したものに利用しましょう。

 

前略、中略、後略の使い方(例文)

では、省略を使った例文を紹介します。

 

省略の形は、(中略)だけではありません。

 

文章が長い場合は、(前略)(中略)(後略)を使い分けることで見やすい文章にすることができます。

 

省略してない文章と(前略)(中略)(後略)で省略した例文を比較してみましょう。

 

 

「私はどうしても言いたいことがある。そうだ、政治だ。政治家の話だ。最近、かみ合わない議論ばかりしている国会を物足りなく思う。正々堂々と筋の通った意見を述べたなら、粛々と多数決をするべきだ。その結果、少数の悲哀を味わったなら、選挙で多数になるしかない。選挙も多数決も民主主義の根幹なのだ。国民も選挙できちんと投票すべきだ。投票率が半数にも満たない現状が、陳腐な議論をする国会を生んでいるからだ。いつになっても、この繰り返しだ。平成が終わっても、きっと同じことの繰り返しなのだろう」

「(前略)最近、かみ合わない議論ばかりしている国会を物足りなく思う。(中略)選挙も多数決も民主主義の根幹なのだ。国民も選挙できちんと投票すべきだ。投票率が半数にも満たない現状が、陳腐な議論をする国会を生んでいるからだ。(後略)」

 

 

国会と選挙について熱く語っている文章なのは分かるのですが、この全文を読んでいると疲れてしまい、書き手が本当に伝えたいことが何かが分からなくなっています。

 

そこで、(前略)(中略)(後略)の省略を用いて文章をスッキリさせました。

 

省略を利用したおかげで、『国民も選挙できちんと投票すべき』という主張が一番伝えたかったことが分かるようになっています。

 

まとめ

文章の省略は、引用した文章に利用します。

 

(前略)(中略)(後略)の省略をどこに使えば良いか分からないときは、まず引用した文章で伝えたい言葉は何かを見つけます。

 

そこの言葉に関連性のないものを省略していけば、スッキリとした文章が完成し、読み手に伝えたい言葉が分かるようになります。

 

もちろん、引用した場合は引用元をしっかりと明記することも忘れないようにしましょう。