日本語には、同じ意味を持つ漢字がたくさんあります。
『落語家』と『噺家』も同じ性質を持つ漢字といえるでしょう。
この二つは、どのように違うのでしょうか?
落語家とは?
落語家とは、落語を演じる人です。
落語の成り立ちは江戸時代まで遡ります。
現代まで、その話術が語り継がれてきた話芸の一つなのです。
落語家は喋りだけではなく、内容を身振り手振りで表現することで、その物語に客を誘うことができるのです。
代表的な落語といえば、『落ち』がある『落とし噺』ですね。
落語は海外でも高い評価を受けており、ライブとして行われることもあるようです。
もちろん、海外ばかりでなく、落語家は日本のパーソナリティや司会者としても活躍していますね。
何故なら、落語家は噺が上手いからです。
その喋りに特化した職業であるため、落語家は『話家』『噺家』『咄家』とも呼ばれていました。
つまり、落語家と噺家は同一の意味を持つ言葉となります。
落語家と噺家の違い
ただし、現代で落語を披露する方の中には、自らを落語家と名乗る方もいれば、噺家と名乗る方もいるのは事実です。
落語家と噺家の違い……それは古い表現かどうかだと言われています。
江戸時代には、落語家という言葉はありませんでした。
落語家とは、落語を演じる人であることを分かりやすくした新しい名称というわけです。
噺家を名乗る方の多くは、古き時代の伝統を重んじる人が多いとも言われています。
そのため、昔から語り継がれてきた古典落語を披露する人は噺家を名乗る傾向にあるようです。
一方、現代に合わせた新作落語を披露する人は、落語家を名乗ることが多いようです。
噺家を主張する落語家
実際に、その呼び名にこだわって活動している方がいます。
柳家小三治さんは、自らを噺家であると主張しています。
その理由として、昭和初期までは噺家で通っていたこと、書籍の文章に『落語家』の言葉があっても、ルビで『はなしか』と振られていたことをあげました。
『柳家小三治』とは名跡であり、すでに10代以上も続く落語の世界では知らない者はいない重鎮です。
そういった方は、やはり落語家ではなく噺家という職業にプライドを持っているようです。
まとめ
落語家も噺家も意味は同じです。
落語を演じる人は、落語家であり、噺家なのです。
ただ、昭和初期までは落語家という名称はありませんでした。
落語家は、落語の存在をより広めるために使われるようになった新しい言葉といえるのかもしれませんね。