似ている言葉なのに、異なる意味を持つ言葉はたくさんあります。
『文章』と『文書』も似ているようで、大きく意味が異なっています。
『文章』と『文書』の例題を交えて解説していきます。
『文章』と『文書』の違いや意味
『文章』と『文書』の違いが分からなくなる理由は、『文章』に『章』の漢字が使われているからでしょう。
『章』とは、つづった文を意味します。実はこれ、『文書』とも解釈することができるのです。
ただ、『文章』と『文書』には明確な違いが存在します。
『文章』とは、連なった文がまとまり、内容をあらわしたものになります。
『文書』とは、書かれた文の媒体をあらわしたものです。例えば、書類に使われることが多いですね。
では、もっと分かりやすく『文章』と『文書』の例題を使って解説していきます。
『文章』と『文書』の例題
『今年入社した新人は、とても文章が上手かった。だから、ビジネス文書の文書作成を指示した』
上司が期待の新人に仕事をお願いする内容ですが、この上司は『とても文章が上手かった』と褒めています。
きっと、他の仕事を依頼したときに彼の文章を見て、「こいつならできるな」と思ったのでしょう。
この場合、『文書が上手かった』とは書きません。上司は書類を褒めたわけでなく、書かれた文章を褒めているからです。
なので、『文章がおかしい』『文章を見直す』『文章を要約する』といった例文も、同じく『文章』という言葉を用います。
また、上司は仕事の依頼として『ビジネス文書』の『文書作成』を新人にお願いしています。
この場合、どちらも書類に文字を書き記す作業であるため、『文書』という言葉を使います。
ちなみに、文字を記す媒体は紙でも電子媒体でも同じく『文書』を利用します。
なので、『文書を印刷する』『文書を提出する』『文書を偽造する』といった例文も、同じく『文書』という言葉を用います。
『文章』と『文』の違いは?
『文章』と『文』の違いも間違いやすいところですね。
大抵は同じ意味で使われることが多いので、知らない方がいても不思議ではありません。
ただ、文法上ではしっかりと違いが記されています。
『文』は、『。』で終わるまでの言葉の連なりです。
『明日は旅行に出かけます。』は、文となります。
『明日は旅行に出かけます。行き先は沖縄ですが、その前に東京も観光していきます。』は、文章となります。
まとめ
『文』『文章』『文書』の違いや意味をまとめると、以下の通りです。
『文』・・・・『。』で終わるまでの言葉の連なり
『文章』・・・連なった文がまとまり、内容をあらわしたもの
『文書』・・・書かれた文の媒体をあらわしたもの
『文』と『文章』を使い分ける場面はそれほど多くないので、こちらは覚えられなくても大丈夫です。
ただ、社会人になって『文章』と『文書』の書き間違いがあるのは、ちょっと恥ずかしいかもしれませんね。
書類に使う言葉は『文書』と覚えておけば、まず間違いないです。
ただし、『文書』は本に対しては使いません。ここだけは注意しましょう。