読みやすい文章は、相手に伝わる文章のことです。
そのため、本来は自由に書くことができます。
しかし、社会に出ると話は変わってきます。
取引先宛てに、感情たっぷりの文章でまとめた内容を送ってしまうと、「この人は常識がないな」と縁を切られてしまうことだってあります。
そのため、会社の代表として恥じぬよう、ビジネス文書の書き方は知っておいたほうが良いです。
文章の中に記す『以上』の位置など、基本のところから解説していきます。
文章の以上とは?意味や使い方
『以上』とは、その上の範囲を意味する言葉です。
なので、『以上』は数値や名詞に添えて使われますね。
「ここを利用できるのは20歳以上です」「凄いですね、期待以上です」といった使い方をします。
そして、『以上』は『その上の範囲』を示すため、文章を締める意味でも用いられることができます。
そのため、ビジネス文書でも利用されているわけです。
なお、通常の文章でも文末に『以上』を含む言葉を添えても問題はありません。ただ、使っている人は少ないかもしれませんね。
ビジネス文書の基本の書き方(文章の以上の位置など)
文章に『以上』を入れるビジネス文書の基本的な書き方を解説します。
ビジネス文書は、A4用紙1枚にまとめるのが基本です。
何故なら、相手に必要な情報を見やすくまとめるのがビジネス文書の役割だからです。
〇年〇月〇日(日付)
〇〇 〇〇殿(宛名)
〇〇 〇〇(作成者の名前)
〇〇〇〇について(文書作成をする理由となった件名)
拝啓 〇〇〇〇〇〇〇〇〇感謝いたします。(前文は挨拶)
_さて、〇〇〇〇〇〇〇〇申し上げます。(主文は文書作成をする理由となった内容)
_まずは取り急ぎ〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇。(文末は礼で終わる)
敬具
記(別記は件名の詳しい概要)
1.〇〇 〇〇〇〇〇
2.〇〇 〇〇〇〇〇
3.〇〇 〇〇〇〇〇
以上
それでは、ビジネス文書に必要な項目を順番に解説していきます。
日付
まず、ビジネス文書の一番上に日付を入れます。この書類がいつ作成されたのかを記します。日付は右寄せの位置に表示します。
宛名
日付の下に宛名を左寄せの位置で書きます。特定の人物に宛てるなら『〇〇部長殿』など、役職を入れて記入します。
相手が部署なら、『〇〇課御中』になります。
作成者の名前
作成者の名前を宛名の下に記入します(宛名と作成者名の間は空欄を入れる)
作成者名を記入するのは、書類の内容で問い合わせるときに担当者が分かっていたほうが対応しやすいという理由もあります。
作成者の名前は右寄せの位置に入れます。
件名
件名は、文書を送る動機となったことを表題として記します。(作成者の名前と件名の間は空欄を入れる)
『取材の件について』『製品の不具合に対するお詫び』など、短くまとめたほうが相手に伝わりやすいです。
どうしても名称が長い場合は、件名を2行に分けても大丈夫です。
また、件名は他の文字よりもフォントを大きくします。他の文字を11にしているなら、14ぐらいにしましょう。
なお、件名は中央揃えの位置にします。
前文
前文は、送った相手に対する挨拶です。(件名と前文の間は空欄を入れる)
ただし、企業向けの挨拶ですので、「おはようございます」などはいけません。
企業宛てなら『貴社におかれましてはご盛栄のこととお慶び申し上げます』で良いでしょう。
個人宛てなら『貴殿におかれましてはご清栄のこととお喜び申し上げます』となります。
なお、前文を書き始める前に『拝啓』を入れます。そして、『拝啓』と同じ行から前文を書き始めてください。(『拝啓』と前文の間に空欄を入れる)
主文
主文は、文書を作成した理由を書きます。(主文の書き始めは1つ空欄を入れる)
この主文については、形式的な文章はありません。ここは、伝えたい内容をそのまま記すだけで良いです。
ただし、丁寧語、尊敬語、謙譲語を使い分けた文章は心がけてください。
文末(結び文)
文末は、礼で終わる文章です。(文末の書き始めは1つ空欄を入れる)
『まずは取り急ぎ書面にてお願い申し上げます』が一般的ですね。
ただ、件名の内容によっては、最後の部分を変更する必要があります。
謝罪の書面なら『お詫び』ですし、おめでたい話なら『お祝い』を用います。
そして、文末の次の行に『敬具』を入れます。『拝啓』を入れたら『敬具』を必ずつけてください。
『敬具』は右寄せの位置です。
記
『記』は、概要をまとめた文章です。
もし、参加者を会場に呼び寄せる目的でビジネス文書を送ったのなら、こういった記述が最低でも必要となります。
- 場 所 〇〇ホール
- 時 間 13時30分
- 参加費 2,000円
『記』もその内容も中央揃えの位置で書きます。
そして、記書きした場合は必ず『以上』を入れてください。位置は、次の行で右寄せにします。
これは、報告書で使われる『以上』でも同じことがいえます。
なお、『記』は必要なければ入れなくても良いです。記を入れない場合は、『以上』を書く必要もなくなります。
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まとめ
『拝啓』と『敬具』がセットであるのと同じで、『記』と『以上』もセットです。
そのため、どちらかを入れないのであれば、もう一つを入れる必要はありません。
また、ビジネス文書とは別に、通常の文章でも『以上』を入れることは間違ってはいません。
文末に「以上で解説を終わります」と記せば、メリハリのある文章に見えます。
いずれにしても、『以上』は締めに使われる言葉なので、『以上』の位置は文末に入れることは覚えておきましょう。