自分の文章を読んでみると、文字が乱雑していることはないでしょうか。
その理由は、文章(文字)の羅列が間違っている可能性があります。
「乱文(拙文)失礼いたしました」とわざわざ書くより、乱雑しない文章を心がけましょう。
文章の羅列を意識する
読みやすい文章を心がけるなら、文章の羅列を意識する必要があります。
まずは、基本的な文章の書き方から紹介します。
『主語』と『動詞』の関係を明確に書いてみましょう。
例文
「私はサッカーをした」
この文章を読めば、『主語』である『私』が『サッカーをした』という『行動(動詞)』が分かりますね。
この関係を忘れてしまうと、文章が乱雑したように見えます。
例文
「サッカーを夕暮れまでみんなとプレイした私」
これは、『動詞』を最後に持ってこない『倒置法』と呼ばれる文法です。
『倒置法』が活きてくる文章も存在しますが、この例文だと『主語』が最後まで出てこないため、『私』が何をしているのか分かりづらくなっていますね。
今回は短文なのでかろうじて理解できますが、これが長文だったら読めたものではないと思います。
このような場合は、そもそも『私』を抜くべきです。話者は主観的に『みんな』を見ているので、『私』がなくても文章は成立するからです。
『主語』を絶対に書かなければいけないと考えたばかりに、このような乱雑した文章になってしまったようです。
もし、文章の羅列を守っていれば、幾分かは読みやすい文章になっていたのです。
例文
「夕暮れまで、私はみんなとサッカーをプレイした」
このように、文章の羅列を正しく揃えることができれば、乱雑した印象はなくなります。
基本的な文章の羅列は、『いつ』『どこで』『だれが』『なにを』『なぜ』『どのように』の順番です。
つまり、5W1Hを意識すると文章の羅列を正しくすることができます。
もし、5W1Hの順番を忘れてしまっても大丈夫です。
実際に文章を読み返してみて、『分かりづらい』とか『乱雑した箇所』を見つけたら、文字の羅列を組み替えてみれば良いのです。
例文を見れば、そのことが良く分かります。
乱雑した文章の例文
それでは、実際に乱雑した文章を見ていきましょう。
読んで違和感があったら、文章の羅列を組み替えて正しくしてしまえば良いのです。
例文
寒さに凍えるような僕は、震えてガクガクした。
これは、典型的な乱雑した文章といえますね。この書き手は、書き終えた文章を読み直していないのかと首を傾げたくなります。
例文
凍えるような寒さに、僕はガクガクと震えていた。
乱雑していた文章の羅列を組み替えただけで、ちゃんとした日本語になりましたね。
例文のような間違いを犯す方は、多くの文章に触れていないことが原因といえるでしょう。
『凍えるような寒さ』『ガクガクと震える』という言葉を知っていれば、この間違いは犯さなかったからです。
例文
どうしても言いたいことがある私は、ダンスを楽しんでいる妻がいるスタジオに向かった。
この文章は最後まで読まないと、『どうしても言いたいことがある』相手が妻であると分かりません。
人間の記憶は、そこまで優れてはいません。文章を読み進めるごとに最初の言葉を忘れていきますので、『誰が』『誰に』『何を』の関係は近いほうが良いです。
例文
私は、どうしても妻に言いたいことがあるため、彼女の日課となっているダンススタジオに向かった。
『私』が何をしたいのかが明確となり、どこへ向かったのかも分かりやすくなりましたね。
実は、こうした例文の間違いが一番多いと言われています。
その理由は、書いた本人は頭の中に物語がイメージできているからです。
そのため、どんなに読みづらい文章でも、足りない部分を頭の中で勝手に補填するため、自分では読めてしまうのです。
しかし、読み手にその予備知識はありませんので、乱雑した文章に戸惑ってしまうのです。
このズレを正す方法は、一度フラットな気持ちになることです。
小説家だと、文章を寝かせることで身勝手になりがちな箇所を浮き彫りにします。
分かりやすくいえば、時間を置いてから再び読み直せば、乱雑した文章に気づきやすくなるのです。
その結果、文章の羅列を正すことができます。
まとめ
文章が乱雑になってしまうのは、文章の羅列が正しくないからです。
5W1Hのような文章の基本を身につけることで、乱雑な文章を直すことができます。
もし、5W1Hの構成を忘れてしまっても、文章を見直し、違和感のある箇所を入れ替えるだけで見やすくなります。
文章の乱雑は、読み直すだけでほとんど解決することができます。
それでも「文章の基礎が分からないから、文章が乱雑になってしまう!」とお困りの方は、ぜひこちらの記事を参考にしてみてください▼