文章の中に『etc』が入っていることがあります。
ブログの記事から雑誌のコラムまで色々と使われていますね。
今回は、『etc』を文末に入れる意味や使い方を解説していきます。
etcを文末に入れる意味
まずは、『etc』の意味を知らなければ、使い方も分からないと思います。
『etc』は、『et cetera』の略称です。カタカナ表記にすると『エトセトラ』ですね。『その他』『などなど』といった意味を持つ言葉です。
本来は、表記どおり英文に使われるものです。しかし、現在では日本語の文章でも用いられるようになっています。
ただし、日本語に『etc』を組み入れる場合は、文末に入れる使い方をします。
その前文で紹介した内容が書ききれないぐらい多いとき、『etc』を使って短縮することができます。
etcの使い方を例文で解説
それでは、『etc』の使い方を例文で解説していきます。
「今日は待ちにまったピクニックだ。この日のために、五時起きで弁当を作ってきた。唐揚げ、卵焼き、エビフライ、etc……。あの子の好きなものだけが入った特製の弁当だ」
離婚のせいで生き別れになった子供と再会するような文章ですが、この登場人物がたくさんの種類のおかずを作ってきたことは分かるはずです。
ただ、それをすべて書き出しても、読者は退屈してしまいます。そこで『etc』を使うことでおかずの種類を短縮したわけです。
短縮して文章は短くなっていますが、たくさんの種類が他にもあることを読み手に想像させる効果があるといえるでしょう。
「途方もない時間をかけて、捜せるところは全部見て回った。だが、一向に姿が見えない。リビング、トイレ、風呂場、etc……。ついに頭を抱えてソファに腰かけると、クッションの隙間でスヤスヤと眠る愛猫の姿があった」
お騒がせな愛猫の騒動を切り取った文章ですが、今回はモノではなく場所となります。
そのおかげで時間の経過を読み手に与える効果が生まれるため、短い文章でも登場人物の現状を伝えることができるのです。
では、最後に使うべきではない例文を紹介します。
「僕は彼女と一緒に、今年の人気デートスポットでナンバーワンに輝いたお花畑にやって来た。赤、青、黄、ピンク、etc……。たくさんの色彩で彩られた斜面を見て、彼女は少女のようにはしゃいでいた」
『etc』で伝えようとしている内容は、分からなくもありません。そのお花畑には、赤、青、黄、ピンクの他にもたくさんの色があったのでしょう。
ただ、その後に『たくさんの色彩』と表現しているので、これは二重表現に当たるでしょう。
『etc』のくだりを抜いても読み手に意味が通じるため、この場合はわざわざ入れる必要はありません。
まとめ
『etc(エトセトラ)』を利用することで、まとまりのない文章を短くすることができます。
工夫次第で読み手に与える効果が変わってきますので、ぜひ利用してみるとよいでしょう。
ただし、『etc』は横文字表記で使うのが一般的です。
そのため、縦書きの書式では格好が取りにくいため、あまり使わないほうがよいでしょう。