文章とは、文を連ねて意味を作っていくものです。
そのため、一つ一つの文を見るのではなく、全体を見ながら読みやすい文章を綴る必要があります。
そこで注目して欲しいのが語尾です。
今回は、語尾の印象と読みやすさの関係について解説します。
文章の語尾とは?
ここでの語尾とは、文末の部分を指す言葉です。
例
今日は天気が良かったので、散歩に出かけました。
この例文の語尾は、『ました』となります。
『ました』が最も使いやすい語尾といえるでしょう。
さて、この文章の語尾は、他の言葉に変えることもできますね。
例
今日は天気が良かったので、散歩に出かけたのです。
このように、『です』を入れても語尾は整います。
この例文は話し口調なので、語尾の種類は限定されてしまいますが、説明の文章ならたくさんの語尾を選ぶことが可能です。
『ました』『です』など同じ言葉を連続で語尾に使用しない
『ました』を語尾に使っても、『です』を語尾に使っても、日本語なので意味は通じます。
しかし、同じ語尾が連続して使われた文章は、読んでいると単調な印象を受けてしまいます。
例
目覚ましが電池切れで、僕は寝坊しました。
部屋から出ると、母と挨拶を交わしました。
席につくと、すでに朝食が用意されていました。
僕は急いで食べて、すぐに玄関に向かいました。
母に声をかけられて振り向くと、弁当を忘れていたことに気づきました。
この例文を見て、どう思ったでしょうか?
漢字は使われていますが、小学生の作文を読まされている気分になります。
このように語尾が連続して使われてしまうと、文章が単調に見えてしまい、内容が入ってきません。
例
目覚ましが電池切れで、僕は寝坊してしまった。
部屋から出ると、母との挨拶もそこそこに席につく。
朝食は用意されていたが、起きたばかりで食べる気分にはなれなかった。
みそ汁と卵焼きだけ口に入れると、急いで玄関に向かう。
そのとき、母に呼び止められて、カバンに弁当が入っていないことに気づいた。
書き言葉の文章なら、必ずしも敬語で統一する必要はありません。
この場合は敬語をなくすことで、語尾の統一を改善することができました。
もちろん、書き言葉の文章でも語尾を意識する必要があります。
『だった』などを連続して使うことも、やはり同じことですね。
二回ぐらいならまだしも、三回以上続いたら単調な文章に見えてしまいます。
例
単調な文章とは、語尾に持ってくる言葉を連続で使うことです。
『です』『です』と続くと、まるで作文のようです。
こうならないように、書くときには気をつけたいところです。
この例文は、自分の文章で首を絞めていますね。
『です』を連続で使ってはいけないといいながら、自分の文章ではしっかりと『です』で統一しています。
これでは、なんの説得力もないと言わざるを得ません。
例
単調な文章とは、語尾に持ってくる言葉を連続で使うことで起こってしまいます。
『です』『です』と続くと、まるで作文のように見えてしまうのがお分かりでしょうか?
こうならないように、書くときには気をつけたいところですね。
語尾は、工夫次第でいくらでも変更が可能です。
文章を書き終えたあとに全体を見渡し、語尾の言葉が連続していないかチェックします。
ときには、投げかけの文章に変えることでも語尾は変更できますので、色々試してみるといいでしょう。
まとめ
使いやすい語尾は、『ました』です。
しかし、この『ました』を語尾で連続して使ってしまうと、文章全体が単調に見えてしまいます。
他の『です』『だった』も同じことが言えますので、語尾が揃っていないか気をつけましょう。
そして、これは語尾だけにいえることではありません。
文章の中で使われている単語も同じことがいえます。
そういった部分を工夫して文を繋げると、読みやすい文章を書くことができます。