文章で『や』を使うことがあると思います。
おもに『並列助詞』として使われるのですが、そのルールを詳しくは知らない方が多いようです。
今回は、『や』の使い方について解説します。
並列助詞とは?
『並列助詞』とは、文章の中に同じような言葉があったとき、その言葉と言葉を繋ぐことができる助詞です。
『や』が代表的な『並列助詞』ですね。
『祖父が育てているのは、リンゴやオレンジ』と『や』を使って繋げることで、2つの言葉に共通性を持たせることができます。
実は『、』の句読点を用いることでも、同じ効果をもたらすことが可能です。
『祖父が育てているのは、リンゴ、オレンジ』と『、』の句読点で繋げることでも、2つの言葉に共通性を持たせることができていますね。
このように、『や』と『、』を使うことで、『並列助詞』を表現することができます。
『や』と『、』の句読点を3つ以上表現するときの違いは?
『や』の『並列助詞』の使い方について解説しました。
では、『や』を3つ以上連続で表現しても良いのでしょうか?
例
彼女と初めてデートしたのは、動物園だった。
たくさんの動物がいたが、キリンやカバやサルやシマウマが彼女のお気に入りみたいだ。
例文では動物が登場するため、それらを『や』の『並列助詞』を使って接続していますね。
このように、『や』を使って関連した単語を繋ぎ合わせていくことは、文法として間違ってはいません。
ただし、例文を見ても分かるとおり、文章が読みづらくなっていますね。
動物の名前をカタカナ表記にしていたので良かったですが、これがひらがな表記だったら更に読みづらくなるはずです。
こういった場合『、』の句読点を利用すると見やすくなります。
例
彼女と初めてデートしたのは、動物園だった。
たくさんの動物がいたが、キリンやカバ、サル、シマウマが彼女のお気に入りみたいだ。
どうでしょうか。先ほどよりも好きな動物が判断しやすくなっていると思います。
今回は先頭の『や』をそのまま使いましたが、全部『、』の句読点にしても問題ありません。
この例文からも分かるとおり、『、』も『や』と同じ使い方ができるのです。
『や』『、』の効果的な使い方
『や』『、』は3つ以上続けて使っても、文法的な問題はありません。
しかし、連続で使うと読みづらい文章になるのは事実です。
では、『や』『、』はどのようなタイミングで使えば効果的なのでしょうか?
それは、こちらの例文で解説します。
例
「うちの高校でサッカーが上手いのは、真田や新庄、田中、長谷場、磯島あたりだね」
内容は、サッカーで有名な高校のレギュラーについてですが、この登場人物の中で一番上手いのは誰だと思いますか?
そう考えて文章を見ると、一番最初に出てくる『真田』が上手い印象を受けますね。
『新庄』でも間違いはなさそうですが、少なくても『磯島』とは思わなかったはずです。
このように、『並列助詞』を使うと並んだ順番に効果が薄まっていきます。
『や』『、』を使うことで、多くを語らなくても順番を表現することができるのです。
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不必要な接続詞から『、』に至るまで、読みづらくしている原因を確認することができます。
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まとめ
『や』を3つ以上使うのは、文法として間違いではありません。
しかし、あまり『や』を並列し過ぎると読みづらい文章になってしまいます。
その場合は『、』の句読点を代用することで見やすくなります。
また、『並列助詞』を使うと、最初に説明した内容の効果を薄める作用もあるので、順番を表現するときに役立てることができるのです。