読みやすい文章の書き方講座、第3回の記事になります。

 

目次

読みやすい文章の書き方講座 第1回『文末は「です」「ます」で統一する』
読みやすい文章の書き方講座 第2回『「ら」「い」抜きで書かない』
読みやすい文章の書き方講座 第3回『句点と読点の正しい打ち方』
読みやすい文章の書き方講座 第4回『5W1Hとは?順番や意味は?』
読みやすい文章の書き方講座 第5回『重複表現、二重表現がないかチェックする』
読みやすい文章の書き方講座 第6回『カタカナ表記にする言葉は外来語、効果音』
読みやすい文章の書き方講座 第7回『漢字は少なく「ひらがな」を主体にする』
読みやすい文章の書き方講座 第8回『段落の意味、つけ方を覚えて文章をまとめる』
読みやすい文章の書き方講座 第9回『名詞や動詞を際立たせて、形容詞、副詞をなくす』
読みやすい文章の書き方講座 最終回『推敲を繰り返すだけで文章は良くなる』

 

句読点の正しい使い方

文章を書く時、句読点は重要な意味を持ちます。

 

感覚で区切っている方もいますが、しっかりとした役割があります。

 

句点とは

句点とは、文の終わりにつける約物やくものです。

 

つまり、マル『。』のことです。英語などの横文字ではピリオド『.』が使われます。

 

ちなみに約物とは、文章で用いる記述記号の総称です。疑問符『?』の記号も、これに含まれます。

 

読点とは

読点とは、文章を区切るときに打つ約物です。

 

つまり、テン『、』のことです。英語などの横文字ではコンマ『,』が使われます。

 

句読点は適切な場所に打つ

極論を言ってしまうと、句読点の正しい打ち方は存在しません。

 

何故なら、明確に「文章には、20字以内に1回、読点を打つ。30字以内に1回、句点を打つ」などの決まりがないからです。

 

だからといって、好き勝手に句読点を打てばいい、というわけでもありません。

 

句読点が適切な場所に打たれていることで、文章の読みやすさが変わるのです。

 

変な場所に句読点を打たれると、読むテンポが悪くなります。

 

1行目から読むテンポが悪い文章を、続けて読もうとは思いません。

 

結果、人から必要とされない文章になるのです。

 

単語が分からなくなる場所を区切らない

これは最低限のルールなので、絶対に守りましょう。

 

以下の例文を見れば、その意味が分かると思います。

 

「わた、くしは、山、田中、道です」

 

不必要な読点が3つもあるばかりに、なぞなぞクイズを出された気分になります。

 

『わたくし』をひらがな表記で書いた時に、『わた』『くし』と分解してしまうと、『綿』『櫛』を連想させてしまいます。

 

さらに、フルネームが『山田中道』と授かったばかりに悲劇が襲います。

 

その名を2箇所で区切ってしまうと、別の苗字『田中』が現れてしまい、自己紹介文で苗字が変わってしまうミラクルが起こりました。

 

前後の漢字が『山』『道』と単独で読めてしまうことも、その原因といえるでしょう。

 

ふざけた例文のように思いますが、単語の組み合わせのせいで、もう1つ単語が生まれるのは実際に起こりうる過ちです。

 

言葉が繋がって別の単語が生まれる場合、読点で区切る

以下の例文が、それに該当します。

 

「甚だしいとはこのことだ。暖房を止められてしまってはさむいことこの上ない」

 

最初の『とは』と『この』が、くっ付いてしまっているため、『はこ』という単語ができています。

 

次に、『しまっては』と『さむい』が繋がっているせいで、まったく関係のない『はさむ』という言葉に読めてしまいます。

 

極めつけは、『この上ない』という言葉を最後に使ってしまったばかりに、『こと』という言葉が『とこ』にも見えてしまうのです。

 

2つ目の部分は『さむい』を『寒い』と直すだけで改善できますが、前後の文には読点が必要です。

 

もっとも、こんな短い文章に句読点を入れると読みづらくなるので、この場合は繋げる言葉を変えたほうが良いです。

 

このように、選んだ後の言葉が前の文と繋がることで意味を持ってしまう場合、読点で区切る必要があります。

 

読み手に息継ぎをさせたい時、句点で区切る

句点で区切る適切な場所が分からない時は、実際に読んでみれば簡単に判断できます。

 

以下の例文を実際に読んだとき、どう思うでしょうか。

 

「A工業の業績に大きく貢献している製品は、言うまでもなく独自開発されたBパネルだが、それだけがすべてではないことは、抱えている顧客数を見れば一目瞭然であり、1人1人の顧客のニーズに応えて製造、発送を請け負っているCネジこそ、中小企業でも成功を収めたA工業の戦略そのものである」

 

文章としても直したい部分があるのはさておき、これでは読み手が息継ぎする暇もありません。

 

これが冒頭だった場合、読み手はお経を読まされている気分に陥るでしょう。

 

句点が1つあるだけで、文章は見違えるように読みやすくなります。

 

「A工業の業績に大きく貢献している製品は、言うまでもなく独自開発されたBパネルだが、それだけがすべてではない。1人1人の顧客のニーズに応えて製造、発送を請け負っているCネジこそ、中小企業でも成功を収めたA工業の戦略そのものである」

 

句点を入れることで、文を繋げるために書かれていた不要な部分もそぎ落とすことができ、すっきりとした文章となりました。

 

これなら、読み手は気分を害することもなく、一般的なペースで読み進めることができます。

 

読み手に対する配慮こそ、読みやすい文章の根源なのです。

 

まとめ

句読点は、書き手の性格が見える部分でもあります。

 

書き手が何を思って、このタイミングで句読点を入れたのか、気にして読んでいる方は少ないと思います。

 

そこを注意深く見ている方は、書く仕事をしている方か、書くことに興味がある方だけです。

 

この記事を読んでいる方は、そのどちらかだと思います。

 

試しに、2冊の小説を比べてみてください。句読点のつけ方が同じ作家は、1人としていないはずです。

 

その作家が、句読点をどんな意図をもって区切っているのか、想像してみるのも面白いかもしれません。

 

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