読みやすい文章の書き方講座、第8回の記事になります。

 

第8回目は、段落の意味やつけ方についてです。

 

段落の必要性

切れ目なく続く文章は、もはやお経です。

 

お経には意味がありますが、ただただ連なった文章は、見る気があっても失せてしまいます。

 

そうならないためにも、段落の意味とつけ方をしっかりと覚える必要があります。

 

段落の意味とつけ方

段落とは、行を改め、新しいまとまりとして文章を書き始めることです。

 

段落をつけるタイミングは、現在の文章と次の文章の関連性が乏しくなった時です。

 

段落をつけるとき、頭に一つ空欄を入れます。

 

空欄を入れることで、段落を改めたことを読み手に示すのです。

 

ただし、Webサイトなどの記事では、頭に一つ空欄を入れる方法は使いません

 

その理由は、ブログ記事の書き方のほうで紹介したいと思います。

 

さて、話がそれましたが、以下の例文を見て段落を学んでいきましょう。

 

 

例文

「私は、猫を飼っています。ずっと前から欲しくて、たまたま知人から譲り受けた三毛猫です。犬は大きいので苦手です。子供の頃に噛まれた嫌な記憶があるのも、理由の一つです」

 

 

一見、動物繋がりなので、一つの文章として見ることもできますが、犬の話は猫を飼いたい理由とは別の話です。なので、ここは改行したほうがいいです。

 

 

例文

「私は、猫を飼っています。ずっと前から欲しくて、たまたま知人から譲り受けた三毛猫です。

犬は大きいので苦手です。子供の頃に噛まれた嫌な記憶があるのも、理由の一つです」

 

 

同じ文章なのに、改行したほうが内容を理解しやすくなったと思います。

 

人間の記憶は、そこまで優れてはいません。最初に目にした単語や意味を、最後まで覚えている人は少ないです。

 

改行されていない文章は、読めば読むほど最初の文章を忘れていってしまいます。

 

結果、いまいち内容が入ってこない文章となってしまうのです。

 

行間を入れる段落のつけ方

文章の頭に空欄を入れる段落のやり方は、理解できたと思います。

 

実は、もう一つ段落のつけ方があります。

 

それは、行間を入れる方法です。

 

こうすることで、より前後の文章を別の区切りとして表現することができます。

 

先ほどと同じように、文章の頭に空欄を入れることも忘れないようにしましょう。

 

ただし、むやみに用いると、間延びした文章となってしまいますので注意しましょう。

 

行間を開けるタイミングは、時間軸の変化があるときに使うのが一般的です。

 

例文

「私が研究しているバイオテクノロジーは、近い将来に実現するものではない。しかし、これをやめてしまうことは、この国にとって大きな損失を招くことになる。だからこそ、研究をやめるわけにはいかないのだ。二年後、他国の研究所に先を越されることになるとは、夢にも思わなかった。去年の夏に公開した実験映像が漏洩していたとは、なんたる不覚だろうか」

 

 

彼にとって最大の不覚は漏洩ではなく、文章の構成そのものです。

 

これは、もっともやってはいけない文章の結末です。

 

最後の『去年の夏』が現在からなのか、二年後から数えてなのか、まったく分かりません。

 

なので、文章を分ける必要があります。

 

例文

「私が研究しているバイオテクノロジーは、近い将来に実現するものではない。しかし、ここでやめてしまうことは、この国にとって大きな損失を招くことになる。だからこそ、研究をやめるわけにはいかないのだ」

 

「二年後、まさか他国の研究所に先を越されることになるとは、夢にも思わなかった。去年の夏に公開した実験映像が漏洩していたとは、なんたる不覚だろうか」

 

 

これで日本語の文章になりました。

 

ただし、この文章を、過去を思い出しながら語っているように表現するのであれば、段落を必要としない文章に作り変えなければなりません。

 

段落ごとにストーリーを完結させる

読みやすくするだけの区切りとして、段落を使用してはいけません。

 

段落ごとに、ストーリーを完結させる必要があります。

 

その理由は、相手に内容を覚えてもらいやすいからです。

 

最初から最後までつづく物語より、『第一章』~『最終章』と区切られているほうが、それぞれの内容を理解しやすいですし、何より読みやすいと思います。

 

二番目の段落から読んでも内容が伝わる作品は、読みやすい文章だと見分けることができます。

 

なので、次の段落を読まなければ意味が通じない場合、最初の段落の区切り方が間違っていることを意味します。

 

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まとめ

段落のつけ方を誤ると、間延びした文章になってしまいます。

 

「私は、料理が得意です。

ときに、医者に憧れています。

進路を、料理人と医者のどちらにしようか迷っています」

 

これだと文章ではなく、単なる箇条書きです。喋ったほうが、早く伝わるかもしれません。

 

段落のつけ方を知っていても、文章によってはこのような事態に陥ってしまいます。

 

しかし、恐れることはありません。

 

前後の文を繋ぎ合わせることで、余計な段落をつけなくても綺麗な文章にすることができます。

 

「私は、得意な料理の道に進もうと思うのですが、医者という職業にも魅力を感じています」

 

二つの夢を同じ文章に入れることで、進路の迷いも表現することができたと思います。

 

余計な段落をつけてしまう大きな理由は、余計な単語や文があるからです。

 

読み返し、そぎ落とすことで引き締まった文章となります。

 

そのあと、前後の関連性が乏しいと感じたとき、段落をつけると良いでしょう。

 

次の講座を読む

目次

読みやすい文章の書き方講座 第1回『文末は「です」「ます」で統一する』
読みやすい文章の書き方講座 第2回『「ら」「い」抜きで書かない』
読みやすい文章の書き方講座 第3回『句点と読点の正しい打ち方』
読みやすい文章の書き方講座 第4回『5W1Hとは?順番や意味は?』
読みやすい文章の書き方講座 第5回『重複表現、二重表現がないかチェックする』
読みやすい文章の書き方講座 第6回『カタカナ表記にする言葉は外来語と効果音』
読みやすい文章の書き方講座 第7回『漢字は少なく「ひらがな」を主体にする』
読みやすい文章の書き方講座 第8回『段落の意味、つけ方を覚えて文章をまとめる』
読みやすい文章の書き方講座 第9回『名詞や動詞を際立たせて、形容詞、副詞をなくす』
読みやすい文章の書き方講座 最終回『推敲を繰り返すだけで文章は良くなる』