文章を書いていたり読んでいると、『ゲシュタルト崩壊』が起こることがあります。
『ゲシュタルト崩壊』は文章ばかりか、人間の顔を見ていても起こる現象となります。
病気との関連性や正しい治し方は何かを解説していきます。
ゲシュタルト崩壊とは?文章や顔に起こってしまう原因は?
『ゲシュタルト崩壊』とは、文章を見つめているとだんだん「あれ、この字はこんな形だっけ?」と思ってしまう現象のことです。
主な例としてあげられるのが、漢字の『借』ですね。
『借』をじーっと見つめていると、このような形だったかと首を傾げてしまうのです。
これは、難しい言葉でいえば知覚のせいで起こってしまう原因です。
文字全体を捉えていたはずが、徐々に文字を構成しているパーツを全体としてではなく、バラバラに認識してしまうような錯覚に陥ってしまいます。
これは、脳内の『認知情報処理過程』のトラブルだとも言われていますが、詳しい原因は分かっていません。
情報を色々な視点から見ることができる人間だからこそ、起こってしまう現象と呼べるのかもしれませんね。
ただ、これは文章だけに起こる現象ではありません。
人の顔を見ていると、「あれ、この人はこんな顔だったっけ?」と思ってしまう方もいるようです。
さらに、視覚だけではなく、聴覚や触覚(皮膚感覚)でも起こるのが『ゲシュタルト崩壊』となります。
例えば、BGMを繰り返し聞いていると、「ここの出だしってこんなテンポだったかな?」と思い始めてしまうのです。
このように、『ゲシュタルト崩壊』は視覚・聴覚・触覚で起こってしまう現象であり、原因は未だに謎が多いものなのです。
ゲシュタルト崩壊の正しい使い方
『ゲシュタルト崩壊』の意味が分かったところで、正しい使い方を解説します。
言葉どおりに使うのなら、文字を読んでいたら「あ、ゲシュタルト崩壊してきた……」となるでしょう。
さて、この使い方を見たら分かりますが、まったく相手に伝わらない文章となっています。
そもそも、文字のそれぞれのパーツが強調して見えてしまう現象を『ゲシュタルト崩壊』と知っている人間は、それほど多くいません。
そのため、会話の中では「あ、文字が歪んで見えてきた」のほうが伝わると思います。
『ゲシュタルト崩壊』の正しい使い方とは、あくまで書き言葉として用いるときに使うのです。
治し方や防ぐ方法はあるのか?(治療法)
『ゲシュタルト崩壊』の原因が明確に解明されていない以上、その正しい治療法はありません。
ただし、ある程度は防ぐ方法があります。
まず、その文字をしっかりと認識していない場合に『ゲシュタルト崩壊』が起こりやすいと言われています。
さきほどの『借』なら、日常生活に溢れている漢字であるため、わざわざ書いて覚えようとしなくても頭に入っているものです。
そのため、『借』の形をぼんやりとしか覚えていないわけです。
なので、その漢字を実際にまじまじと見てしまった場合、『ゲシュタルト崩壊』が起こりやすいようです。
ただし、『ゲシュタルト崩壊』のメカニズムは冒頭でもお話したとおり、脳内の『認知情報処理過程』で起こっているため、国語の教師であっても体験する可能性を秘めている現象です。
つまり、100%防ぐ方法は皆無と断言したほうが良いかもしれません。
とはいえ、長時間文章に向き合っている仕事をしている方なら、この『ゲシュタルト崩壊』は仕事の効率を悪くするので、どうにか治したいところです。
唯一の治し方が存在するとすれば、それは文章から離れてリラックスすることです。
目を休めることで、『ゲシュタルト崩壊』を幾分かは和らげることができます。
まとめ
『ゲシュタルト崩壊』は、誰にでも起こる現象です。
そのため、病気である可能性は低いと言われています。
ただし、『ゲシュタルト崩壊』になりやすい人がいるのも事実のようです。
作業効率が悪くなるようなら、まずは作業から離れてリラックスすると良いでしょう。
目を休めることが、『ゲシュタルト崩壊』を簡単に治す方法となります。