『不遇』の意味や使い方について紹介します。
『不遇な扱い』『不遇な境遇』『不遇を受ける』『不遇のとき』『不遇の人生』の意味も例文で解説していきます。
不遇の意味とは?
『不遇』とは、『才能があるにも関わらず、運に見放された状態』を意味する言葉です。
よく間違われやすいのは、『不遇』を『運がない状態』と使ってしまうことです。
『不遇』にはそういう意味も含まれていますが、大前提としてその人物に『才能』『地位』といった特別な境遇がある必要があります。
『不遇のとき』の意味
『不遇のとき』とは、『不遇に陥っている月日』を意味する言葉です。
『不遇のときが流れる』なら、『正当な評価を受けずに時間が流れていく』さまを表現することができます。
単に『不遇だ』なら、現在の状況だけを表現していますが、『不遇のとき』だと前後の月日に及んで『不遇が続いている』ことを読み手に伝えることが可能です。
『不遇の人生』の意味
『不遇の人生』とは、『優遇されていない日々だった』ことを意味する言葉です。
『不遇のとき』が長期に渡った状態といえるでしょう。
『不遇の人生』は、王位継承権がありながら王になれなかった人物に対して使われることが多いです。
そういった『不遇の人生』を変えるために、骨肉の争いが生まれてしまうのでしょう。
『不遇を受ける』の意味
『不遇を受ける』とは、『不公平な扱いを受けてしまう状態』を意味する言葉です。
意味が使いやすいため、『不遇を受ける』を文章に多用しがちですが、誰にでも当てはめることができる言葉ではありません。
例えば、『新人社員だからか、私は不遇を受けた』という文章は間違った使い方です。
『新人社員に仕事を取られるという不遇を受けた』なら、キャリア(能力)が正当に評価されなかった文章となるので、正しい使い方となります。
『不遇をかこつ』の意味
『不遇をかこつ』とは、『不平を口に出して言う』ことを意味する言葉です。
もちろん、穏やかな言い方ではなく、嘆くように言うときに『不遇をかこつ』を使うことができます。
不満を言うわけですから、それなりのポジションに就いていることが条件となります。
平社員が『雑用を任され、不遇をかこつ』と使ってはいけないのです。
『不遇な扱い』の意味
『不遇な扱い』とは、『不遇を受ける』と、ほとんど同じ意味になります。
ただ、こちらは『扱い』ですから、相手の態度や様子を表現するときに使うことができます。
『取引先から不遇な扱いをされてしまった』なら、今までニコニコしていた担当者に塩対応をされてしまった様子を読み取ることができるのです。
『不遇な境遇』の意味
『不遇な境遇』とは、『不遇のとき』と似た意味といえるでしょう。
ただし、『とき』と『境遇』を比べると、『境遇』のほうが不平を強く感じている印象を与えることができます。
『不遇の人生』よりも期間が短く、『不遇のとき』よりも強い意味で使いたいときは『不遇の境遇』を使うと良いでしょう。
不遇の使い方を例文で解説
『不遇』の使い方を例文で解説します。
『不遇のとき』『不遇の人生』『不遇を受ける』『不遇をかこつ』『不遇な扱い』『不遇な境遇』を使うことで、『不遇』の現状を表現することができます。
例文
戦争に負けたせいで、貴族だった私は不遇の人生を送ることになった。
戦争の影響で、今まで裕福だった人間が不幸になってしまうことはよくあります。
そんな人物が『不遇の人生』と表現するのは、間違いではないでしょう。
例文
今は不遇のときだと辛抱する。
才能があっても、それを認めてくれる人物がいなければ埋もれたままです。
そういう状況を『不遇のとき』で表すことができます。
まとめ
『不遇』とは、『才能があるにも関わらず、運に見放された状態』を意味する言葉です。
そのため、『不遇』は『地位』『才能』がある人物にしか使うことができないのです。
『不遇』は、『不遇のとき』『不遇の人生』『不遇を受ける』『不遇をかこつ』『不遇な扱い』『不遇な境遇』と表現することが多いです。
似たような意味ですが、それぞれニュアンスが異なりますので、例文で意味と使い方をしっかりと理解しましょう。