Webサイトで文章をデザインする強調方法が利用できるのなら、とても簡単です。

 

例えば、「カレーライスは普通に作っても美味しいです。でも、チョコレートを入れたらもっと美味しくなります」と太文字を入れたら、カレーライスの隠し味を強調することができます。

 

他にも、「今日の運動会は何がなんでも負けられない!打倒!三年A組!」と赤色にできれば、強調デザインの完成です。

 

でも、これはビジネス文書だと使いづらいです。書類の文章が赤文字で強調されていたら、受け取った側は添削された気分に陥るでしょう。

 

しかし、文章を強調する方法はデザインだけではありません。かっこや記号を入れることで、読ませたい文章を強調させることができます。

 

文章を強調する方法(かっこ、記号を入れる)

まずは、文章の中でどの単語を強調させたいのかを考える必要があります。

 

なんでもかんでも強調してしまうと、本当に大切な部分がなんなのか分からなくなるからです。

 

 

例1

僕たちはどうしても言わなければならないことがある。この理不尽な現状のせいで仲間との信頼も家族との絆も失ってしまったからだ

例2

「僕たちはどうしても言わなければならないことがある。この理不尽な現状のせいで仲間との信頼も家族との絆も失ってしまったからだ」

 

 

例1の場合、彼らが言いたいことはひしひしと伝わるのですが、この文章ではどの部分を強調したいのか分からないため、本当に伝えたいものが見えてこないと思います。

 

例2だと、仲間と家族の関係が疎遠になったことが強調されているため、彼らが本当に言いたいことがストレートに伝わってきますね。

 

では、この文章に記号を使って強調してみましょう。

 

 

「僕たちはどうしても言わなければならないことがある。この理不尽な現状のせいで“仲間との信頼”も“家族との絆”も失ってしまったからだ」

 

 

今回は、すでに両端にかっこを利用していたので、『“ ”』の記号で強調してみました。何もない文章よりは注意をひくことができると思います。

 

かっこを入れるときは、同じ記号のかっこが重複しないように気を付けましょう。

 

 

「この部屋は本当に「暗い」な。「ろうそく」の火だけなら仕方がないか」

 

 

これだと、強調しているのか、文章を区切っているのかが分かりません。読みにくいですし、意味が分からなくなる可能性さえ出てきます。

 

 

「この部屋は本当に暗いな。『ろうそく』の火だけなら仕方がないか」

 

 

『ろうそく』にかっこをつけることで、部屋が暗い理由を強調した文章になっていると思います。

 

他にも『ろうそく』がひらがな表記なので、接続詞と区別されて見やすくなる効果も出ています。

 

また、「」と『』(二重鉤括弧)を使い分けることで、読み手の混乱を避けることもできています。

 

文章を強調する例文(かっこの種類と使い分け)

文章で主に使うかっこは、「」『』()の三種類です。

 

この三種類を使って、文章を強調する例文を紹介します。

 

 

「与えられた選択肢は二つだ。『真実』を公表するか、『隠ぺい』するかだ」

 

 

強調したい単語があるとき、『』を使って強調します。

 

強調する箇所が多くなると効果が弱まるので注意したいところですが、この文章では『選択肢は二つ』と明記されているため、短い文章で『』を二つ使っても効果が弱まることはありません。むしろ、引き立てているといえるでしょう。

 

さて、続いては()を使った強調方法の例を紹介します。

 

 

気づくと彼女は振り返っていた。「どうしても行くの?」彼女の目は悲しげだった。

 

 

「」(かっこ)は、登場人物の台詞として利用することが多いです。

 

もちろん、単語の協調として「」を用いても問題はありません。ただ、先ほども述べたように「」を連続で使うと読み手を混乱させてしまうので、「」と『』を使い分けるとスッキリした文章に見えます。

 

 

「書籍の売り上げは、わずか一週間で二万部を突破している(都市部のみ)」

 

 

()を入れることで、文章の詳しい概要を読み手に伝えることができます。

 

『都市部のみ』をそのまま文章の中に組み入れることもできますが、あえて分けることで今の売り上げがどれほど凄いのかを強調することができるのです。

 

では、最後に間違った使い方をした例文を紹介します。

 

 

この真実を公にしなければならないと思い、本書をまとめました。(これは個人ではなく、部署の総意である)まず、どうして『人員不足』がこちらの責任であるのか、また「経費削減」の意図が明確にされていないことが問題である。去年の『人員配置』が原因で「人員不足」に陥っているわけであり(この時に私も他の部署に移動している)、なんらこちらの不手際ではない。

 

 

こんな告発状を送られてきても、あまり感情移入しづらい文章といえるでしょう。

 

まず、「」と『』は統一したほうが良いです。例文では、『人員不足』と「人員不足」があり、どういった意図でかっこを使い分けているのかが気になってしまい、強調が意味をなしていません。

 

そして、()の内容がとにかく邪魔です。どうしても書きたいのなら、改行してから記せば良いのに、文章にくっつけてしまったばかりに読む流れが悪くなっています。

 

()は、あくまでシンプルな概要を伝える記号であり、新しく文章を書き加えるための記号ではありません。

 

まとめ

かっこを入れることで強調したい単語が浮き彫りになるため、読み手に印象を与えやすくなります。

 

そればかりか、文章にメリハリを与えるので、読みやすくなる効果もあります。

 

例えば、ひらがなだけの文章だと読みづらいので、かっこの記号で文章を分けて読みやすくすることもできるのです。

 

なお、<>のかっこも文章に利用しても良いですが、ほとんど「」と同じ使い方なので、基本的には「」『』()の記号だけでも文章を強調することができます。

 

そうすることで、わざわざ文章をデザインしなくても見やすい文章を書くことができるのです。