『抜け落ちる』には、大きく分けて二種類の意味があります。
『抜け落ちる』の言い換えや類語、熟語は何かも解説していきます。
抜け落ちることは熟語?
抜け落ちるとは、二つの単語が合わさってできた熟語となります。
抜け落ちるを分けると、『抜ける』と『落ちる』の単語になります。
『抜ける』とは、突き抜けて向こうに出るという意味です。
『落ちる』とは、重力に引かれて物が下に移動することです。
この二種類からできた熟語こそ、抜け落ちるという言葉になります。
抜け落ちるの意味(文章が抜け落ちる)
抜け落ちるとは、『抜ける』と『落ちる』が時間差で起こることを意味した文章となります。
つまり、何かが突き抜けて向こうに出たことで、その何かが下に移動した状態が『抜け落ちる』なのです。
例文
制作中の料理用ロボットを稼働してみると、腕が抜け落ちてしまった。
ロボットが未完成だったためか、本体から腕が外れてしまったようです。
テーブルの上に広げて作っているのなら『外れる』でも問題なさそうですが、料理を作るためのロボットなら直立しているはずです。
そのため、外れた腕は落下するはずなので、この場合は『抜け落ちる』の表現のほうが適切でしょう。
以上が抜け落ちるの意味ですが、実は他にも使い方があります。
抜け落ちるは、欠けている時にも使うことができます。
例えば、『この文章には重要な箇所が抜け落ちている』など、文字の欠落を指摘するときにも用いることができるのです。
底が抜け落ちるの意味(底抜け)
抜け落ちるを調べている方の中には、『底が抜け落ちる』という意味を一緒に調べている方が多いようです。
ですが、おそらく『底抜け(底が抜ける)』の意味を知りたいのだと思います。
『底抜け』とは、底が抜けているという意味の他に、程度が並外れているせいで際限がないこと、度外れなことを意味することもできます。
『底抜けに明るい性格』といった表現は、『底抜け』が使われる典型的な例文ですね。
ただし、だらしないという意味でも使うことができますので、間違わないようにしましょう。(底抜け野郎など)
抜け落ちるの言い換えや類語
抜け落ちるは、『抜ける』と『落ちる』の熟語です。
そのため、類語は『抜ける』や『落ちる』に近しい言葉となります。
『すっぽ抜ける』『取れる』『もげる』『剥れる』の言い換えが適切といえるでしょう。
もちろん、熟語のもとになっている『抜ける』や『落ちる』も抜け落ちるの類語といえます。
抜け落ちるの使い方を例文で解説
抜け落ちるの意味を紹介したところで、使い方を例文で解説していきます。
例文
木造の旧校舎を歩いていると、床が抜け落ちてしまった。
現在はコンクリートの校舎が多くなりましたが、ひと昔前は木造建てでした。
古くなると床がきしむだけでは止まらず、最後には腐ってしまい、人間の体重に耐え切れずに抜け落ちてしまいます。
この場合は抜け落ちた対象が『床』となりますが、『人間』を落下させる表現でも使うことができます。
さて、次は間違った例文です。
例文
刑事は、逃走している男に狙いを定めた。銃声が鳴り止む前に、銃弾は男の足から抜け落ちていた。
容疑者に対して発砲した銃弾を『抜け落ちる』で表現した例文のようです。
確かに、銃弾は足から抜けたあと、地面に落ちたのかもしれません。
しかし、ほとんどのケースでは足から抜けたあと、壁にめり込むことになると思います。
そもそも、抜け落ちるとは真下に落下する動作にしか当てはまりませんので、銃弾のような動きだと不適切といえるでしょう。
まとめ
抜け落ちるとは、『抜ける』と『落ちる』からできた熟語です。
抜け落ちるの意味は、何かが突き抜けて向こうに出たことで、その何かが下に移動した状態となります。
他にも、『欠けている』の意味に代用できるため、文章の欠落を指摘するような使い方でも利用することができます。
また、類語には『すっぽ抜ける』『取れる』『もげる』『剥れる』があり、熟語なので『抜ける』や『落ちる』に言い換えることも可能となります。