『掟』の意味や使い方を解説します。
『掟』の類語や例文、語源となった意味も紹介していきます。
掟(漢字)の読み方や熟語
掟は、漢字で『てへん』に『定める』と書く言葉です。
読み方は『おきて』です。
熟語には、『心掟』『掟米』などがあります。
掟の意味とは?語源と比べる
掟とは、組織や団体の中で定められた決まり事を意味する言葉です。
伝統を受け継いできた宗教では、掟という言葉が良く使われますね。
ただ、語源は少し違った意味合いとなります。
掟の語源は、動詞『おきつ(掟つ)』の連用形から成り立ちます。
この『おきつ』とは、『心に決める』『計画を立てる』といった意味を含んだ言葉です。
その意味が転じて、管理や命令といった要素が強くなり、絶対に守るべき決まり事へと変化していきました。
掟は重々しいイメージがありますが、最近ではもっとラフな使い方がされています。
例えば、家庭の決まり事を掟と称している家族もいるようです。
他にも、恋人同士の決まり事でも掟は使われます。
ルールと同じ意味を持つため、掟の言葉に置き換えて使っている方が多いのです。
掟の類語
掟の類語は、『定める』に近しい言葉となります。
つまり、『決め事』『約束』『規則』『規律』『戒律』などが類語と呼べるでしょう。
もちろん、英語の『ルール』も類語となります。
掟の使い方を例文で解説(鉄の掟、血の掟など)
掟の使い方を例文で解説していきます。
掟は、日常会話でも使いやすい言葉ですので、利用しやすい単語となります。
例文
僕は、中学生になったらサッカー部に入ると決めていた。桜坂中等学校はサッカーの名門であり、ここでレギュラーになることはステータスとなるからだ。でも、僕はまだ、このサッカー部に掟があることを知らなかった。
掟とは、伝統が根強く受け継がれている場所には必ず存在します。
中学生という小さな世界でさえ、掟は存在するのです。
それが技術の向上に繋がれば良いのですが、ときには間違った掟もあるので気をつけたいところですね。
続いては、掟に置き換えても良い例文を紹介します。
例文
「一人前の僧侶を育てるためには、本山にしっかりとしたルールを設ける必要があるのです」
この例文の文章は、日本語として読めなくはないのですが、やはり『ルール』という言葉に違和感を覚えますね。
僧侶について語っているのなら、住職のような人物のはずです。
それなら、日本語である掟を使ったほうがしっくりくるでしょう。
例文
「一人前の僧侶を育てるためには、本山にしっかりとした掟を設ける必要があるのです」
『ルール』を掟に言い換えたことで、住職らしい言葉になりました。
では、最後に特殊な文章を紹介します。
例文
この組織には鉄の掟がある。それを直接教えられることはないが、暗黙の了解として誰もが認知している。
掟の前に『鉄』をつけていますね。
『鉄』は硬く、冷たい印象を受ける物質です。
つまり、より厳しい掟を『鉄の掟』を表現しているわけですね。
他にも、『血の掟』という言葉もあります。(沈黙の掟ともいう)
こちらはマフィアで使われている言葉で、自分の血印で一族に入ったことを示すため、『血の掟』と呼ばれるのです。
まとめ
掟とは、ルールのことです。
具体的な意味は、『定められた決まり事』となります。
掟は重々しいイメージがありますが、最近ではルールに置き換えて使われています。
では、掟は必要なのでしょうか?
ある一定のルールが設けられていなければ、人間は好き勝手に行動してしまいます。
基準となる決まり事(掟)があるとないとでは、モラルが保てるかどうかに関係してくるのです。