脚注と注釈の違いについて解説します。
また、脚注の使い方や注釈の書き方、それぞれの意味を例文で紹介していきます。
注釈の意味と書き方
注釈とは、文章に書かれている言葉に説明が必要なときに用いる注意書きを意味するものです。
文章を書くとき、書き手にしか分からない言葉や、分かりづらい専門用語を使わなければならないことがあります。
そういったときに、注釈を利用することで言葉の説明を綺麗に表現することができます。
注釈の書き方は、注意書きしたい言葉の横に(注1)もしくは(1)と記入します。
注釈の数を増やすときは、書き込む数字も増やしていきます。(注2)(注3)……。
なお、注釈の説明は文末に書き記します。
例文
そこは深淵(注1)の闇だった。
(注1)深いふち
注釈の位置は、説明したい範囲によって異なります。
例文
そこは深淵の闇(注1)だった。
(注1)先が見えない深い闇
例文
そこは深淵の闇だった。(注1)
(注1)主人公が訪れた『異界の谷』
このように、単語だけを注釈するのか、文章全体を注釈するのかによっても意味が変わってきます。
脚注の意味と使い方
脚注とは、注釈の書き方の一つです。
脚注は、ページの文末に書かれている注記を意味するものとなります。
「注釈は文末に書くものでは?」と疑問に思うところですが、実は注釈にはもう一つの書き方が存在します。
それが後注です。
脚注と後注では、注釈の記し方が違います。
脚注の場合は、文中に(注1)と書いたら、そのページの文末に書き記します。
しかし、後注の場合は文中に(注1)と書いても、注記するのは最後のページのみとなります。
もし、20枚に及ぶレポートを後注で書き表したときは、注記の説明は20枚目にしか書くことができません。
言葉の意味を今すぐに教えたいときは、脚注で書かなければいけないことが分かりますね。
では、後注はどんなときに利用すればよいのでしょうか?
それは、脚注と参考文献の違いを想像すれば理解できると思います。
文中に参考文献の言葉を利用することがあります。ですが、そのことをすぐに読み手に知らせる必要はありませんよね。
そういうときは、後注で注記すると読み手はスムーズに文章を読むことができるのです。
脚注と注釈の違い
脚注と注釈の意味を理解したところで、本題の違いについて解説します。
脚注と注釈の違いは、広義か狭義かの違いであるといえるでしょう。
脚注は注釈の種類の一つなので、意味はほとんど同じです。
ですが、注釈の中には後釈もあるため、使い分けは必要となります。
相手に文章の説明を求めるなら「注釈を使ってください」となりますし、相手に注釈の書き方を指示するのなら「脚注を使ってください」となるのです。
脚注と注釈を例文で解説
脚注と注釈を例文で解説します。
例文
クリスは、ようやくズバフォル(注1)を追い詰めた。今日こそ、ナイルの実(注2)の所在を吐かせなければならない。
(注1)クリスの村を焼き払った悪人
(注2)霊界の人と会話ができると言われる伝説の実
小説を最初から読んでもらうなら、とくに注釈を利用する必要はありません。
しかし、このように一部だけを書いてしまうと、読み手には意味不明となります。
読み手が理解できない言葉、もしくは専門用語を文章に使うときは、このように注釈を使うと良いです。
では、最後に間違った脚注の使い方を紹介します。
例文
このことについては、『待つことで獲物がやってくることもある(1)』の言葉がよく分かる内容だと思います。
やみくもに行動するより、待ったほうが効率的なこともあります。
(1)『本能を忘れた人間たち』(亀田 2014)
この例文では、参考文献で使われた言葉を脚注していますね。
文章がこれで終わりなら、なんの問題もありません。
しかし、これが30ページにも及ぶ内容だったらどうでしょうか?
ことあるごとに参考文献の注釈がページの下に書かれていたら、少し目障りに思ってしまいますよね。
そういうときは、最後のページに記載する後注で注記したほうが良いです。
まとめ
注釈は、読み手が分かりづらい言葉に注意書きをする方法です。
言葉の意味を理解できないまま文章を読み進めることほど、苦痛なことはありません。
ぜひ、脚注と後注の違いを理解し、分かりやすい注釈を心がけましょう。
ちなみに、参考文献は『抜粋する』方法もありますので、こちらもチェックしてみると良いでしょう▼