文章を上達させたい、もっと上手くなりたいと考える人は多いと思います。
では、文章はどうやって良くなっていくものなのでしょうか?
それは、文章に使われている言葉を別の言い方にする作業を行い続けることです。
文章の形は一つではない
例文
私は駅まで走った。
この例文は、小学生でも書ける文章ですね。
とはいえ、この文章で間違っている箇所は一つもありません。
正しい日本語の文法で構成されているからです。
しかし、どうしても単調な文章に見えてしまいますね。幼稚ともいえるでしょうか。
この文章はシンプルに構成されているせいで、なんの魅力も感じないと言い換えることができます。
その理由として、情報量が少なすぎるのです。
『私』が『駅』まで『走る』動作で向かったのは分かりますが、どのような『駅』なのか、『走る』様子はどうだったのか……といった情報がないのです。
では、『駅』をもう少し詳しくしてみましょう。
例文
私は最寄り駅まで走った。
『駅』が『最寄り駅』となりましたね。
これにより、この文章のストーリーが少しずつ見えてきたのが分かるでしょうか?
『最寄り駅』とは、現在地から最も近い場所にある『駅』のことです。
そこに向かって走っているのなら、登場人物の『私』は乗り遅れないように行動していると予想することができるのです。
では、『走る』様子も詳しくしてみましょう。
例文
私は最寄り駅まで全力疾走した。
ここまでくれば、『私』が電車の時間に乗り遅れそうになっているのは明白ですね。
『私は駅まで走った』なら、どうしてそこへ向かったのか、様々な解釈ができてしまいます。
そのため、読み手は憶測でしか内容を読み取ることができません。
しかし、言葉を別の言い方に変えることで、書き手が表したい状況を表現することができます。
文章は別の言い方に変えるだけで、グッと伝わるのです。
別の言い方を考えるためには語彙が必要
文章は別の言い方に変えることを考え続ければ、どんどん良くなっていきます。
しかし、何の知識もないのに、単語が思い浮かんでくることはありません。
大事なのは、自分の語彙を増やすことです。
適切な言葉を知らなければ、文章を別の言い方で表現することはできないからです。
『駅』なら、『最寄り駅』『廃駅』『着駅』『発駅』といった類語を覚えている必要があります。
言葉の語彙は、日常生活の中にも溢れていますので、自然と増えていくものです。
熱心に覚えたいのなら、やはり新聞を読むのが一番ですね。
バラエティ豊富に語彙を増やしたいなら、雑誌のコラムなどにも目を通すと良いでしょう。
語彙が学べるオススメの書籍
語彙は、単語の類語を覚えるだけがすべてではありません。
文章そのものを別の言い方にすることもできるのです。
『大人の語彙力ノート 誰からも「できる!」と思われる』は、ワンランク上の語彙を増やすことができる書籍であり、大人ならぜひ読んだほうがいいオススメの一冊です。
まとめ
文章は、別の言い方を考え続けることで良くなっていきます。
ただし、そのためには語彙を増やすことが重要となります。
もちろん、基本的な文章の書き方を知らなければ元も子もないので、まずはしっかりと基本を身につけてから語彙を増やしていきましょう。
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