文章は、書こうとすればいくらでも長く書くことができます。
ただし、長文になると文章はどんどん読みづらくなります。
読みやすい文章を心がけるのなら、文章を削るコツをマスターしましょう。
変な言い回しは削る、もしくは変更する
正しく書いていると思っていても、いざ読み返してみると表現がおかしな場合があります。
その人の癖も影響してくるので、ときには気づきづらいですね。
例文
僕は、そういったことを言いたかったわけではない
例えば、この例文から意味を読み取ることはできます。
しかし、少し読みづらいですね。
『そういった』『言いたかった』の言葉が似ているため、文章のリズムを悪くしているのです。
この場合は、『そういった』を別の言葉に変更したほうがいいです。
例文
僕は、そんなことを言いたかったわけではない。
言葉を入れ替えるだけで理解しやすくなったばかりか、スッキリした文章となりましたね。
このように、言葉の入れ替えを考えながら文章を構成していきます。
ときには、思い切って削ってしまったほうが良い表現方法もあります。
例文
あの事務員には、なんとしてでも言いたいことがある。
さきほどのように、『なんとしてでも』を『どうしても』に変更しても問題はありません。
ですが、ごっそりと削ってしまうのも良いでしょう。
例文
あの事務員に言いたいことがある。
『事務員』に対して、何か強い恨みがあるならまだしも、それほど意味を持たせないのであれば、このようにシンプルな文章にしたほうが良いのです。
例文は短いのでそれほど気になりませんが、三十行に渡ってびっしりと書かれていたら、きっと五行は削ることができるでしょう。
二重表現を削る
次に注意したいのは、『二重表現』ですね。
見落としやすい『二重表現』もありますが、明らかに文章の流れを悪くしているものもあります。
例文
東京の高校へ通っている息子に仕送りするため、お金を入金した。
この例文での『二重表現』は『お金』となります。
『入金』の言葉には『お金』の意味も含まれているからです。
このように、不要な『二重表現』を見つけたら、どんどん削っていきましょう。
見落としがちな『二重表現』は、こちらでまとめています▼
無駄な接続詞や主語を削る
難しいところでいえば、無駄な接続詞や主語を削ることです。
読み手に伝えようとするために使っている言葉が、実は文章の流れを悪くしているのです。
例文
僕は、本当にそれが嫌いだった。
しかし、それはみんなの好きなものらしい。
でも、僕には到底理解できない。僕はそれなしでも生きていけるし、視界に入れたくもない。
けれども、みんなはそれを欲しがるのだ。
はてさて、どうしてだろうか?
僕には理解できない。
哲学のつもりなのか分かりませんが、この文章はまったく伝わってこないです。
主語の『僕』が至る所にあるため、自己主張が強い文章に見えてしまいます。
この文章が『僕』の意見であることは『僕は、本当にそれが嫌いだった』の一行目から分かりますので、これ以上使う必要はありません。
また、接続詞が改行ごとにつけられており、文章の中身よりも印象が強くなっています。
これらもまた、ほとんど削ったほうが良いです。
例文
僕は、本当にそれが嫌いだった。
しかし、それはみんなの好きなものらしい。
到底、理解できない。こっちはそれなしでも生きていけるし、視界に入れたくもない。
どうしてみんなは、それを欲しがるのだろうか? まったく理解できない。
この文章なら、『僕』の意見にも耳を傾けることができそうです。
このように、不必要な接続詞と主語があったらどんどん削っていきましょう。
文章を推敲することが削るコツ
文章を推敲する作業は、今まで紹介したポイントのまとめといえるでしょう。
文章をよく読むことで『どこかに間違いはないか』『もっとより良い表現はないか』を吟味する作業が推敲だからです。
そして、この推敲を重ねる作業がもっとも重要となります。
読みやすい文章とは、読んでくれる相手が理解しやすい内容かを考えることから始まるのです。
推敲にたっぷりと時間をかけた文章こそ、不要な箇所がそぎ落とされた美しい文章となります。
文章を削るコツとは、間違った箇所を見つけることであり、それをチェックできる作業は推敲だけなのです。
文章を削るコツが学べるオススメの書籍
削るほど良くなる文章の練習帳: すっきり! シャープ!いい文章が書ける
文章を削るコツを学ぶのにオススメの書籍は、『削るほど良くなる文章の練習帳』です。
おもに、不要な接続詞の削り方について書かれているため、文章の上達方法を学びたい方にもオススメな一冊です。
まとめ
文章を削ると、すっかりとした文章になります。
文章の意味も通じやすくなるので、結果として読みやすい文章となるのです。
文章を削るコツは、『変な言い回しを削る』『二重表現を削る』『無駄な接続詞、主語を削る』ことです。
そして、それらをチェックする推敲がもっとも重要となります。
推敲については、こちらの記事で詳しく解説しています▼